魔女っ娘妖精物語 あっぷるマリィ
 第3話「コンテストに潜む罠」
   原案:九条組  小説化:蓬@九条組

 呪文を唱え終えた瞬間、早苗に劇的な変化が起こりました。
 黒い髪を後ろで一つにまとめていた長い三つ編みが一気にほぐれ、農作業用に着ていたポケットが無数にある赤い上下の作業着が蒸発し全裸になりますが、全身が蛍の尻の様に強烈に発光しているので放送コードには抵触しません。そして、異常猫が筋骨を組み替える時にしたのと同じ音が、全身至る所から鳴り響き、筋骨が異常変形を開始します。
 ベキキボギョギギベキポギギ
「おお……、新たなる農狂戦士、林檎羅刹あっぷるマリィの誕生に御座る……」
「痛たたたたたた! 何この整体みたいな変身シーン」
 ボキンボギンメキョメギョギョギョボボギィ
「ここがド田舎だからってあんまりだぁ! テレビで見る魔女っ娘はみんな都会に住んでるのにぃ」
「拙者から長時間逃げおおせる持久力、さきの農球でリンゴを砕きたる業前、お主は稀に見る逸材に御座る」
 早苗も異常猫も仰向けという状況のまま、30秒もせずに変身は完了し、早苗はピンク色の髪をした美しい少女に姿を変えていました。手足も身長も若干伸びており、顔付きもやや大人び、何年分か成長したようです。衣服はリンゴの赤と黄色が基調で、背中には羽まで付いていて、腰の部分はリンゴを模した提灯ブルマみたいになっていました。例のステッキも長さ2メートル程に巨大化しており、平板状だった先端のリンゴは厚みを得て直径30センチくらいの丸い金属塊となっていました。

 この様にして、早苗は有無を言わさぬ人さらいサーカス的強引さで農狂戦士にさせられてしまいました。その後、異常猫は「猫侍ミツマタ」を名乗り、農狂戦士についてや、今回の経緯を語りました。
 農狂。全国津々浦々の農業従事者によって組織された共同組合であり、その業務は組合員の生産した農産物の流通、組合員への農業用物品の販売に留まらず、銀行業や保険業も行っています。しかしそれは表の顔であり、裏の実態は与党の最大票田の一つを構成する他、「農狂ツアー」と呼ばれる組合員の海外旅行に際して海外ホテルの廊下をブリーフ一丁で歩く等、日本の社会構造や国際的風評にも多大なる影響を及ぼす恐るべき巨大組織です。
 そして更に裏の裏の顔として、自分等の属する特殊部隊「深淵」があるとミツマタは語りました。その任務は農業を脅かす犯罪を狩る事であり、具体的には、農作物窃盗犯や、他人の畑にミステリーサークルを作る者の誅殺です。農協内部でも深淵の存在は総本部の一握りの者しか知らず、農狂林檎ヶ丘支店の様な末端組織の職員は一切を知りません。ミツマタすら深淵の全容は知らされていませんが、その構成員の殆どは通常の人間ではなく、早苗が暗闇の中で見た異形の者であるそうです。その為、人間に見られた場合は必ず口封じをしなければならないとの事。
「わ、私も見られたら殺すの……?」
「安心するで御座る。喋る猫は差し障りあるが、お主は珍妙な格好をした単なるパープリン娘に見える故、見られてもさして問題ないで御座る」
 今回は、この林檎ヶ丘に未知のリンゴ泥棒が迫っているという情報を受けて深淵より派遣されたミツマタが偵察活動中に早苗に目撃され、あの流血の逃走劇が起こったのでした。農協戦士とはあくまで農に仇なす者を狩る事が使命。その為には、農地を潰す事も、農民を殺める事も、少しも厭わないのでした。
「それよりキミは何なの? 何で喋るの? どこのアンドロメダ星雲から来たの?」
「知らぬで御座る。かつては、郷士(農林漁業等で生計を立てる下級武士)に飼われていた只の猫であったのを覚えているが、天保の大飢饉(1833年)の頃であったか、気付いたらこの様になって御座った」
 ミツマタは遠い目をして答えました。
「何それ? チェルノブイリの放射能でも浴びたの?」
「江戸時代に原発など無いで御座る」

 一通りの説明が終わっても、早苗は話の全容がさっぱり理解できませんでしたが、例の異常な疲労は相変わらずで、もう起きているのも辛かったので、変身を解除するとひとまず家に帰りました。成り行き上、ミツマタも済し崩し的に家について来ました。
 ミツマタは実直な猫でした。疲労は一晩寝ても回復しないのにもかかわらず、翌朝午前3時に起床し、屋根裏や納屋は言うに及ばず、風呂釜の中から三角コーナーに至るまで、家中を綺麗に掃除していました。
「おはようー……」
「ご厄介になっているで御座る」
「掃除するのはいいけど、二足歩行をお婆ちゃんとお姉ちゃんに見られないでね」
「安心せい。裏の山に捨てておいたで御座る。お主も若いのに、年寄りと物狂いを2人も抱えて大儀で御座ったのう」
「え? ええっ!?」
 林檎ヶ丘村の人口が291人になってしまうと同時に、早苗は中学生にして独り暮らしになってしまいました。

 次の週末の朝。あっぷるマリィに変身した早苗とミツマタの姿が公園にありました。先日の逃走劇の最後に、早苗が登った裏山の頂上にある公園です。高齢者ばかりのこの村では、わざわざ長い山道を登ってこの公園を訪れる者は滅多にないので、人目を憚る事をするには格好の場所でした。
 異様な疲労からもようやく全快した早苗は、リンゴ泥棒を狩る訓練をすべく公園にやって来たのです。疲労以外にも、額に食らったミツマタの衝撃波が「農」の字の形の傷となってしまい、それが完全に消える今日まで、家から出られなかったのでした。
「ねえ、どうして殺人光線出ないの?」
 マリィが不満そうに、巨大化したステッキをリンゴが付いた方を下にして地面を突きました。300kg弱ある金属塊はズドンと地球を振動させて半ばまで地面にめり込みました。
 ウルトラマンばりに殺人光線が出せると期待していた早苗でしたが、あっぷるマリィにその様な機能は無く、あるのは人類の範疇を大きく逸脱した身体能力でした。
「150年を生きた拙者でさえ、気功術が僅かに使える程度。お主が目からビームなど300年早いで御座る」
「むー」
「それより、少しでも多くの鍛錬を積むで御座る。此度のリンゴ盗人は非常に手強いそうな。油断すれば拙者らが殺られるで御座る」
 マリィの鈍器ステッキの破壊力は重機以上で、公園にある銅像を一撃でひしゃぐ程でした。しかし、ミツマタと手合わせしてみても、圧倒的な俊敏さについて行けず、一本も取れませんでした。
「どえいっ!」
「遅い! 力を込め過ぎで御座る」

 その頃、山のふもとにある村営運動広場では、ミス林檎ヶ丘コンテストが開催されていました。
 ミス林檎ヶ丘コンテスト。今年で5年目となる村主催のミスコンの歴代優勝者は以下の通りです。
 第1回優勝者 犬塚ヤス子(71歳、林檎ヶ丘村婦人会会長)
 第2回優勝者 馬頭弥惣子(83歳、林檎ヶ丘村老人会婦人部部長)
 第3回優勝者 鹿田うめ(69歳、林檎ヶ丘村商工会婦人部部長)
 第4回優勝者 牛丘八千枝(67歳、林檎ヶ丘村遺族会会長)
 これは、世間一般のミスコンが女性の若さと外見的美醜のみを判定基準としているのに対し、年齢を重ねても変わらぬ内面的な美と生き様を評価する進歩的スタンスが取り入れられている……という訳では全くありませんでした。
 そもそも、住民に若い女性が殆どおらず、通常のミスコンが成立し得ません。数少ない若い女性住民の中には、有名人になりたい、アイドルになりたいと思う者も居るには居ましたが、こんな僻地の小村のミスコンで入賞しても売名効果はゼロに等しく、それよりも審査員の年寄衆に凝視されるのをキモがって誰一人として応募して来なかったのです。
 第1回の開催当時、応募締切りを過ぎても応募者がゼロという事態に、村長はやむを得ず各町内会に参加者数ノルマを割り当てました。全く人の集まらない役場主催のイベントや教養講座に、各町内会から強制的に住民を動員し、無理矢理会場を埋めて盛況を装うというのは、林檎ヶ丘村の様なド田舎では良くある事でした。そして、その動員にあたり、応募条件から年齢要件と独身要件が外されました。10代・20代の女性も、独身女性も、一人も居ない町内会もあるからです。
 その結果、渋々動員されてきたのは各町内会の中核を担う女性達――即ち婦人会や老人会の幹部である高齢者ばかりになり、この時点で通常の意味でのミスコンは完全に破綻しました。
 しかし村長の苦悩は続きます。集まったのが高齢者ばかりとはいえ、「誰が一番年齢からすれば若く美しく見えるか」等を審査基準にすればコンテストの強行は可能です。しかしそれは、村のコミュニティーの中核を担う幹部達の美醜に公然と優劣をつけてしまう事になり、後々の禍根になる事は必至でした。その様なカドが立つ事は、全員が全員知り合い同士である、狭く濃密なコミュニティーでは到底不可能です。
 そこで村長の下した決断は「持ち回り」でした。あくまでも応募と公正な選考を建前としつつも、予め根回しして、優勝者は今年は婦人会会長、来年は老人会婦人部部長、再来年は商工会婦人部部長という風に、有力役職でリレー形式にして当分先の分まで決めてしまうものでした。そうすれば誰にとっても特段の不利益とはならず、不満を持って騒ぎ出す者も出ないのでした。
 何故この村のミスコンが優勝者が毎年高齢者ばかりなのか、まだ中学生の早苗には、理解できませんでした。そんな早苗を、村情勢を良く知る町内会長のおじさんは毎年優勝者を正確に予言しては驚かせていました。
 このイベントは、実に17年後の2005年まで続きました。いわゆる平成の市町村大合併で林檎ヶ丘村と他6町村が最寄の市に吸収合併されて消滅するまで継続され、近隣市町村住民からは「林檎ヶ丘村侮り難し」と畏怖されていました。

 今年の優勝者は、虎田きね(80歳、林檎ヶ丘村愛育班会長)の予定で、事前に賞状まで作成済みで根回しも完璧でした。しかし、ミスコン開催の前日になり、モチを喉に詰まらせて急遽入院してしまったのです。
 村長は悩みました。入院したまま書類参加させ、優勝させてしまおうかとも思いましたが、曲がりなりにも美と健康のコンテストを標榜している以上、入院患者が優勝するのは妙すぎます。来年の優勝予定者である白林征海いくみ(65歳、リンゴ販売組合長、早苗の祖母)を繰り上げて今年優勝させようかとも思いましたが、1週間前から行方不明です。
 悩み抜いた末、村長は入院したままであっても予定通り虎田きねを優勝させる事にしました。ミスコンが茶番なのは村中の大人が熟知している周知の事実。ならば、入院患者が優勝する不自然さなど小さな事であると村長は結論付けました。
 しかし、ミスコン当日の早朝、優勝予定者虎田きね死亡の報せにより、人口が290人に減少するとともに、村長は再び苦悩の底に沈められました。

「うーん、困ったっべなー。助役、どうすっぺかなー」
「その通りで御座います」
「もういっそ、ヤケクソで死人を優勝させんべか?」
「その通りで御座います」
「いんや、んな事したら村議会で赤城議員に『死人が美と健康の象徴とはいかがなものか』とか一般質問されっちまうべな」
「その通りで御座います」
「困ったっべな、はー。こんな大会始めるんじゃなかったべな」
 キィィーーーーーーーン…………ドズズーン!
「その通りで御ぎゃボオオォ!」
 その時、裏山の頂上から飛来した何かが村長と助役が会議をしていたテントを直撃しました。それは、手合わせ中にミツマタの一撃でここまで弾き飛ばされて来たマリィでした。
「ごめんなさいっ! 油断したら弾き飛ばされちゃった」
「な、何だんべ、おめー?」
 村長は驚きました。人が落下して来た事も驚きでしたが、村内で自分の知らない人間を見る事も驚きでした。一体どこの家の孫かと思いましたが、村民全員を知っている村長の記憶にもマリィの顔はありませんでした。
「見ね顔だべな。おめーん家どこさ?」
「いや、えーと、リンゴを買いに来たんです。赤森市から」
「はー赤森市からわざわざか。おめ物好きだな。でも村のリンゴが有名って事だべな。嬉しいべ。にしても何だその格好? 赤森市じゃそうゆうんが流行ってんべか?」
「いやー、その……、そうだ、ミスコンがあるって言うんでお洒落してきたんですよ」

 広場に簡易ステージを設置しただけのミスコン会場では、いよいよ最後の出場者が舞台上に上る所でした。
「それではエントリーナンバー4番、猿渡いわさん、どうぞー」
「はー、どっこいしょ、よっ……、ほっ、ふぅ……」
 役場職員の司会のお姉さんに促されて、お婆さんが舞台に上る階段を一段一段ガニ股で一生懸命上りました。
「では早速、自己紹介をお願いします」
「猿渡です。去年亡くなった馬頭さんの跡を継ぐ形で、老人会婦人部の部長をしちょります」
「まー、馬頭さんといったら第2回の優勝者じゃないですか。その後継者というのだから、美と健康が有り余っているんじゃないですかー?」
「いんや、そんな事ねぇべ。膝が痛くて、こないだ手術したべさ」
「そうですか。趣味は何ですかー?」
「おこうこ漬けだ。自分で野菜漬けて、自分で食べるのが一番だべ」
「夢は何ですかー?」
「やっぱ、ピンピンコロリだべな。元気なまんま、ある時ポックリと逝きてえだんべな、はー」
「はい、ありがとうございましたー。以上で出場者全員の紹介が終わりました。審査員の皆さんに選考して頂いて、優勝者を決定しますので少々お待ち下さい」
 お姉さんの差し障りもやる気もない司会が終わりかけた時、
「ちょと待つべ。飛び入り参加者だっべ」
舞台裏から村長が、強引にマリィを引っ張って出て来ました。
「ちょっ、ホントに出るの?」
「おめみたいな娘っ子がミス林檎ヶ丘になれば、村は一躍注目を浴びるべさ。村の為だ、頼む出てくろ」

 飛び入り参加者マリィの自己紹介が始まりました。
「エントリーナンバー5番、あっぷるマリィさんです。自己紹介をどうぞ」
「マリィです。一身上の都合により本名は勘弁して下さい」
「見かけない顔ですけど、どちらから来たんですか?」
「赤森市から来ました。リンゴを買いに」
「まー、わざわざ赤森市から、こんな僻地まで。リンゴが好きなんですか?」
「リンゴはおいしいし奥が深いし、上手く投げれば飛び道具としても十分な殺傷力があって最高だと思います」
「その服は、リンゴをモチーフにしているんですか?」
「自分で選んだんじゃありません。正直、変だと思います」
「じゃあ何で着てるんですか?」
「それは一身上の都合により勘弁して下さい」
「そうですか。夢は何ですか?」
「この村……じゃなくて、赤森市から出て東京で暮らすことです」
「東京が好きなんですか?」
「はい!」
「この村は好きですか?」
「いいえ!」
「この村のいい所は何だと思いますか?」
「ないと思います!」
「はい、ありがとうございましたー。今度こそ出場者全員の紹介が終わりましたので、審査の間少々お待ち下さい」

 マリィが舞台から降りると、村長は審査員・出場者・その他会場に居る村有力者の所を電光石火の速さで駆け回り、今年の優勝予定者が急死した事、そこで通りすがりのマリィを代わりに優勝させる事、来年以降はまた元通りに村有力者を順番に優勝させる事、等を説明して合意を得て回りました。見知らぬよそ者とはいえ、年寄りばかりの出場者や審査員から見ればマリィは孫くらいの年でしたので、特に反感を買う事もなく、「まぁいいんじゃないの」という感じで割とあっさりと全員の合意が得られました。
「よっしゃ。決まったべ。マリィさんだべ」
 村長がそう口走りながら、マリィを引っ張りながらステージに駆け上がって来ました。
「え? なに今のが審査なの!? 説得とか懐柔とかにしか見え……ムゴブぅ」
 コンテストの建前上の正当性を否定しかねない事を喋りそうになったマリィの口に、司会のお姉さんがマイクを突っ込んで黙らせました。
「優勝おめでとうございます。栄えあるミス林檎ヶ丘コンテスト第5回優勝者になった感想はどうですか?」
「ムゴームゴー」
「とても嬉しいと言ってるっぺ」
「マリィさんには、これから1年間、ミス林檎ヶ丘として村の様々なPR活動に無給で協力して頂く事になりますが、その心意気はどうですか?」
「ムゴっ? グモモー?」
 マリィは、歴代ミス林檎ヶ丘が、次のミス林檎ヶ丘が選ばれるまでの間、やたらと役場広報誌に出演たり各種イベントに駆り出されていたのを思い出しました。しかしそれは、時間に余裕があり、地域に身も心も密着して生きる歴代のミス林檎ヶ丘には抵抗なくできる事でしたが、若い現代っ子のマリィにとっては途方も無い苦行にしか思えませんでした。
「無給だけんども、身を粉にして喜んで協力するって言ってるっぺ」
「ムグゴゴ! ムゴグー!」
「それでは、コンテストたけなわではござますが、村の為に無給で私生活を犠牲にして働いてくれるミス林檎ヶ丘のマリィさんに感謝の意を表して、三本締めで締めたいと思います。村長、お願いします」
「フゴゴゴー!」
「んでは、たとえ親の死に目に会えねぇでも、おらが村の為に無給で命がけで尽くしてくれるマリィさんを称えて、いょーおっ」
 村長の掛け声と同時に、会場中のマリィ以外の全員が手を打ち鳴らします。
 シャシャシャン シャシャシャン シャシャシャンシャン
 シャシャシャン シャシャシャン シャシャシャンシャン
 シャシャシャン シャシャシャン シャシャシャンシャン
「はい、ありがとうございましたー。それでは、これをもちまして第5回ミス林檎ヶ丘コンテストを終了いたします。これから一年間、無給で過労死も恐れず馬車馬の様に働きまくるマリィさんの活躍にご期待ください。また来年お会いしましょー」
「ムブゴ! フブゴゴ!」

 ピーポーピーポーピーポーピーポー…………
 その頃、舞台裏では、隣の町の消防分署からの救急車がようやく到着し、マリィが墜落してきた時に巻き添えを食って肋骨と大腿骨を骨折し重症の助役を運んで行きました。
「痛いか?」
「その通りで御座います」
「しっかりしろ。ここから赤森市立総合病院まで70キロくらいあるが辛抱しろよ」
「そ、その通りで御座います……」


 第4話に続く