愛しの翻訳アダプタちゃん

『第弐回 セクシャルマイノリティー編』

(提供者:蓬)

(出所:翻訳アダプタII CROSSROADプレインストール版)

 

 

 最初に言っときますが、セクシャルマイノリティーを嘲笑する意図は一切ありませぬ。私自身は同性愛者ではありませぬが、同性愛及びその他を認めますし。

 第壱回で、「お友達として交際したい---男性から男性へ(電子メール)」てな例文を載せましたが、例文集には
「お友達として交際したい」
「恋人として交際したい」
「恋人求む」
のそれぞれに、
「女性から女性へ」
「女性から男性へ」
「男性から女性へ」
「男性から男性へ」
の4パターンがありマッスル。

 ここで我々が意識すべき事が2点あります。

 まず、レズ・ホモを認めたそのリベラルな姿勢。

 第二は最初に女性を持って来てる点でして、これはつまり、普通この4パターンを並べた場合、「男性から女性へ」もしくは「男性から男性へ」を最初に持って来ちゃう場合が多いと思われる中、見事に「女性から女性へ」を頭に持って来てるっちゅー事で、英語でも「he or she」とは言っても「she or he」と言う奴の少ないこの時代、蓬はアダプタちゃんに次世代の息吹を感じてしまいました。

 んじゃ、真面目な話はここまでにして、本編行きます。(以下、引用部分は基本的に青色です)

 

 

 

●恋人求む---女性から女性へ:ニュースグループへの投稿

 

Subject: Woman seeking woman
Subject:女性の恋人募集中

 

I am an attractive, intelligent Japanese a gay lover.
私は
キュートで知的なレズビアンの日本人女性です。

 

I love Bach, jazz and traveling.
バッハとジャズと旅行を愛しています。

 

I'm looking for a gay woman who would like to spend a month with me in Paris next spring.
来年の春に
1カ月間パリに滞在する予定なので、一緒に過ごしてくれる優しいレズビアンの女性を求めています。

 

Please write soon.
ご返事を心から待っています。

 

<Mary>
(あなたの名前)

 

----------------

 

★注)個人的な宣伝のばあい、通常は挨拶文はない。 "subject" が挨拶のかわりです。

 

 1ヶ月で終わる関係なのでしょうか?

 

 

 

●恋人として交際したい---女性から女性へ(電子メール)

 

Subject: Let's meet in Paris
Subject:
パリで会いましょう。

 

Dear <Mary>,
親愛なる(相手の名前)、

 

I saw your personal ad.
あなたの投稿を読みました。

 

I'm a gay woman who lives in L. A. and I bet I'm the one you're looking for.
私はロサンゼルスに住むレズビアンで、
あなたの条件にぴったりだと思うの。

 

I'd love to spend a month with you in Paris!
是非あなたと一緒にパリで1ヶ月過ごしたいわ!

 

Please write.
連絡待っています。

 

<Laura>
(あなたの名前)

 

 キッチリと返事が来ました。

 

 

 

●恋人求む---男性から男性へ:ニュースグループへの投稿

 

Subject: Personal Ad: Man seeking Man
Subject:男性の恋人募集中

 

Hi!
(挨拶)

 

注1)
I'm a Japanese man in my thirties and I'm looking for a gay lover in his twenties.
私は30代の日本人男性で、20代のゲイの恋人を募集しています。

 

I'm a vegetarian who loves cats.
僕は猫を愛するベジタリアンです。

 

Tall, good-looking pianist.
僕は背が高くてハンサムなピアニストです。

 

I'm looking for an intelligent, sexy gay lover.
知的でセクシーなゲイの恋人を探しています。

 

Write soon.
ぜひ僕にお手紙ください。

 

<Taro>
(あなたの名前)

 

----------------

 

★注)サイバースペースは、国籍、宗教、年齢、性別という枠から解き放たれたバーチャル・リアリティの世界なので、恋人募集のe-mailには年齢などは書いてないこともよくある。

 

★注1)「**代」は必ず"in one's --ies"のように必ず"one's"が必要。

 

 再び猫とベジタリアンです。日本人で背が高いと言っても高が知れてると思うんデスけど。

 

 

 

●友達として交際したい---男性から女性へ(電子メール)

 

注1)
Subject: LET'S BECOME FRIENDS!
Subject:友達になってくれませんか?

 

Dear <Hanako>,
(挨拶)

 

I saw your personal ad.
あなたの投稿を読みました。

 

I love cats and gamelan too.
私もネコとガムラン音楽が大好きです。

 

I think we'd get on well together.
私たちは気が合うような気がします。

 

How about exchanging e-mail?
ときどき電子メールをやりとりしませんか?

 

Please write.
連絡待っています。

 

<Donald>
(あなたの名前)

 

----------------

 

★注1)"Let's become friends."は「見知らぬ人達が友達になる」という意味。
"Let's be friends."は「これからも友達でいましょう」というニュアンスを含む。

 

 第壱回で紹介した弁護士への返事でしょうか?

 

 

 

 セクシャルマイノリティー要素を例文集に入れたその姿勢は見事デス。しかし良く考えたら、書き手も 受け手も性別によって文章が変わる事なんて無いので、「a gay woman」「a gay lover」「a gay man」と言う表現を示せばそれだけで済んでしまった気もしますデス。

 他に、やたらと「猫」「ガムラン」「ベジタリアン」など個性的過ぎる言葉が連発されるのは、世界の人々の文化の多様性を示そうという文化人類学的に崇高な意志が有ったのでしょうが、ただカオティックなだけになっており、スタッフの苦労が忍ばれます。

 

 

 

 今回はここまで。

 次回、『第参回 人類の叡智編』